最新の「市民しんぶん」7月1日号の特集記事、「琵琶湖疏水」が国宝・重要文化財に指定されたニュースを、青野ひとしが2分でご紹介します。
この他、特集記事の詳しい解説や、市民しんぶんの主な内容は以下 ↓
今月号の一番の話題は、琵琶湖疏水の施設群が国宝・重要文化財に指定された歴史的快挙です。
この琵琶湖疏水という水路、皆さんご存知でしょうか。実は、明治時代に京都のまちを再生させた、まさに京都の希望の象徴なんですね。明治維新で都が東京に移されて、京都は人口が減少し、産業も衰退していました。そんな時に、第3代京都府知事の北垣国道さんが、京都と大津をつなぐ水路の建設に着手したのが始まりです。
そして工部大学校を卒業したばかりの若き技術者、田邉朔郎さんが工事責任者になりました。当時、大規模な土木工事は外国人技師が設計監督することが当たり前だった時代に、初めて日本人の手で成し遂げた大事業でした。延べ400万人の作業員を動員し、約5年の難工事の末、1890年に第一疏水が完成したんです。
特に注目すべきは国宝に指定される5つの施設です。まず第一隧道、これは約2444メートルのトンネルで、建設当時は日本最長でした。工期短縮のため、日本で初めての竪坑工法が採用されています。
次に第二隧道、これは約125メートルのトンネルで、西口の上部が尖ったような形が特徴的です。第三隧道は山科から蹴上に抜ける約852メートルのトンネルで、東口はゴシック風、西口は古典主義風のデザインになっています。
そして皆さんご存知のインクライン。桜の名所として有名ですが、これは建設当時、世界最長の傾斜鉄道だったんです。船を台車に載せて昇降させる目的で作られました。最後に南禅寺水路閣。こちらは紅葉の名所としても親しまれていますが、全長約93メートルのれんが造りの水路橋です。
これらの施設について、文化審議会は「西洋技術の習得過程にあった明治中期において、当時の土木技術の粋を集めて築かれ、世界的に高い評価を得た類いまれなる構造物」と評価しています。実は、近代の土木構造物としては初めての国宝指定なんです!
さらに重要文化財として、国宝の5か所を含む24か所が指定されます。これには京都市所有の20か所のほか、関西電力さんや真宗大谷派様の所有施設も含まれています。
実は、この琵琶湖疏水の文化財指定について、公明党も長年にわたって文化芸術振興に取り組んできました。2001年に成立した文化芸術振興基本法をはじめ、文化財保護のための税制優遇措置や、無形文化財の登録制度新設など、文化財を守り継承していく取り組みを推進してきています。※公明党の取り組みはこちら
琵琶湖疏水は明治期の建設から現在まで、舟運、灌漑、発電、そして現在は水道として、京都のまちを支える多面的な役割を担ってきました。市民の皆さんの暮らし、産業、文化を支える都市基盤施設として、今も現役で活躍している施設なんです。
この歴史的快挙を受けて、京都市ではさらなる魅力発信に取り組んでいきます。既に運航している「びわ湖疏水船」や散策路「そすいさんぽ」を通じて、皆さんにこの素晴らしい文化遺産を身近に感じていただけるよう努めています。
琵琶湖疏水記念館では、今回指定対象となった施設を模型や映像でわかりやすく紹介していますので、ぜひ足を運んでいただければと思います。
今回の国宝・重要文化財指定は、明治の先人たちが築いた偉業が正式に国に認められたということであり、京都市民として誇らしく思います。これからも大切に保存し、次世代に継承していくことが私たちの使命だと感じています。
文化芸術立国をめざす公明党としても、今後とも文化財の保護・継承、そして活用に全力で取り組んでまいります。※公明党の取り組みはこちら
皆さんも、この機会にぜひ琵琶湖疏水を訪れて、明治の先人たちの偉業に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。そして、この素晴らしい文化遺産を次の世代にしっかりと引き継いでいきましょう。
このほか、今号では、
4面で、京都基本構想の案に対する市民の皆様からの意見を募集しています
京都基本構想とは、京都市のあらゆる政策の上位に位置し、今後四半世紀の京都市と京都市民の在り方を示すものです。
5面では、5月補正予算の内容について、
6面では、祇園祭の山鉾巡行を市役所から鑑賞いただけるご案内を掲載。なお申込多数の場合は抽選です
7面は、京の夏の旅として、文化財の特別公開の期間などを紹介
8面、9面は、見開きで、京都市所有の文化財、無鄰庵、旧三井家下鴨別邸、二条城二の丸御殿の見どころやイベントを掲載
京都の夏をお楽しみください
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